良姜

 中国のハワイ、常夏の海南島では、自生の植物に加えて、東南アジアから中国に輸入される熱帯有用植物の栽培生産を進めるべく、海南島熱帯経済植物園と中国医学科学院薬用植物資源開発研究所海南分所の二つ、大きな植物園があり、檳榔、ニクズク、沈香、胡椒、ゴムなど多くの熱帯性薬用植物が栽培されている。中でも多いのがショウガ科植物で、もともと自生している海南縮砂とか益智,高良姜、タイあたりから導入した白豆蔻などが栽培されていた。

[高良姜]

高良姜

コウリョウキョウ
Alpinia officinarum Hance
(ショウガ科)

良姜

良姜(広西産)

 コウリョウキョウAlpinia officinarum Hanceは道端に野生しているものも多く、食用と思われる植え方もあり、土地の人にはおなじみの植物のようである。市場では掘りたての新鮮な根茎が山盛りにしてあった。

 栽培には5・6年かかり、大株になったものを秋に収穫する。根茎はあまり太くならず、1〜1.5僂曚鼻乾燥して0.5〜1僂梁世気砲覆襦新鮮な切り口は鮮やかなオレンジ色で乾燥すると赤褐色になる。香りは縮砂を砕いたような、ショウガ科植物に共通するやや鋭い匂いがする。

 同じものであるが、生薬を中国では高良姜と呼び、日本では単に良姜という。高良というのが広東省の茂名県の古い地名だというのが語源の様であるが、高が高州という地名から来ているという説もある。

 類似の生薬で大高良姜(A. galanga Swartzの根茎)というのがあるが、この植物の果実を紅豆蔻という。



 良姜の成分は精油が1,8-シネオール、桂皮酸メチル、α-ピネンなど。多量のフラボノイドが含まれていて、ガランギン、ケンフェリド、ケンフェロールやこれらのメチル化誘導体などが知られている。また、ウコンのクルクミンに似たジアリルヘプタノイドの数種類が含まれている。実験では各種病原菌に対して抗菌作用のあることが示されているが、漢方では温裏去寒薬とされ、乾姜とよく似た循環促進作用があり、健胃、鎮痛の薬として用いられる。循環促進の作用は乾姜の方が強く、鎮痛の作用は良姜の方が強いとされる。

【薬効と漢方処方】

 いわゆる腹が冷えたという症状に適しており、香附子や桂皮、小茴香などと配合して使われる。

 安中散は桂枝、延胡索、牡蛎、茴香、縮砂、甘草、良姜から成り、虚証の胃痛、胃炎、胃酸過多、胃神経症などに使われ、一般販売の漢方胃腸薬の主流を占めている。

 丁香柿蔕湯は丁字、柿蔕、良姜のほか11種の生薬が入る薬方で、温中散寒、下気降逆の作用があり、虚寒性のしゃっくり、慢性胃炎、妊娠嘔吐、横隔膜痙攣、特に胃がん手術後に起こる深刻なしゃっくりにも使われる。

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