独活

 独活の基原植物は日本と中国で大きく異なっている。第15改正日本薬局方第一追補で初めて載ったドクカツはウコギ科植物のウドAralia cordata の通例根茎であるとされているが、2005年版の中華人民共和国薬典にはセリ科植物の重歯毛当帰 Angelica pube-scens f. biserrata の乾燥根ということになっている。唐独活は後者と認識しなければならない。日本でもこれに近縁のシシウド Angelica pubescens の根を独活として使っていたことがある。ただ、中国でも独活は一枚岩ではなく、興安白芷という東北産で大型の白芷の根茎を大活あるいは独活といい、また日本と同じウドの根茎を九眼独活あるいは土当帰と呼び独活として使うこともある。

[独活]

ウド

ウド

Aralia cordata

Thunb. (ウコギ科)

和独活

和独活



 似通った匂いはあるが、和独活と唐独活ではかなり成分が異なっており類似というには相当無理がある。ウコギ科ウドの成分はピネンなどのテルペン系精油、さらにジテルペン、トリテルペン、トリテルペン・サポニンなどテルペン系の化合物でしめられている。セリ科の重歯毛当帰の成分はセリ科に共通するクマリン類やフタライド類である。

【薬効と漢方処方】

 ウド成分の薬理学は鎮痛作用が認められている程度で、まだ十分な研究が行われたとは言えない。重歯毛当帰に関しては中国での研究が多く報告され、一時的な血圧降下作用、血小板凝集能抑制、鎮痛、鎮静、抗炎症、抗痙攣、HeLa細胞に対する抗腫瘍、抗菌作用などが知られている。好ましくない作用として光増感作用があり、紫外線や日光による皮膚炎を起こしやすくするとも言われる。黄色ぶどう球菌や大腸菌に対する抗菌作用は光の存在が必要という。

 荊防敗毒散と十味敗毒湯はいずれも急性化膿性皮膚疾患やアレルギー性疾患に使われるもので、消炎排膿薬である。前者が14味、後者が11味からなる複雑な処方であるが、独活のほか荊芥、連翹、桔梗、川芎、生姜の6味が双方に共通している。

 ほかは鎮痛薬で、独活湯は冷えによる手足の屈伸痛などに用いる。

 独活葛根湯は血虚の上に外感して肩や背中の強ばり、四肢疼痛、四十肩、五十腰、脳出血後の疼痛などに応用する。

 清上蠲痛湯は三叉神経痛、顔面痛、頭痛の激しいものなどに鎮痛薬として用いられる。

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