荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

アレルギー疾患

春の訪れとともにやってくるのが花粉症。毎年この時季になると花粉症対策を始める方が数知れません。冬のどんよりした重さを感じる雲も晴れ、天気もよく外に出て花見をしたくなります。しかし花粉症をお持ちの方にとっては、花粉のせいで気持ちよく外出することはできず、いつも花粉というアレルゲンにビクビクしながらマスクをして外出するというパターンになってしまいます。花粉症とは一生付き合わなくてはならないのかというと、そうでもないようです。「昔は花粉症に悩まされていたけど今はそうでもない」という方や、これから花粉症に悩まされるかもしれない方といろいろなタイプがいらっしゃるようです。これには体質が影響しているといえます。また、乾燥していない地域、つまり湿気の多い地域では花粉が飛びにくいといわれています。

 

毎年春に苦しい思いをされる方は「今までよりももっと楽に、そして快適に春を過ごしたい」という願望はお持ちのことでしょう。「体質を改善できるなら…」とお考えの方にぜひご紹介したい漢方薬がございます。荊芥連翹湯は花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質を改善する漢方薬に位置づけられています。体質を改善するためには、服用が長期間におよぶケースもあります。西洋薬の抗アレルギー剤のように花粉が本格的に飛び交う1〜2ヵ月前から服用する用い方をされているのも荊芥連翹湯の特徴です。

解毒証体質(げどくしょうたいしつ)をご存知ですか?

日本の伝統医学の中に、「一貫堂医学(いっかんどういがく)」があります。この流派の特徴として、病人を「三大体質」に分類します。三大体質とは「臓毒証(ぞうどくしょう)」、「瘀血証(おけつしょう)」、「解毒証(げどくしょう)」です。荊芥連翹湯は解毒証体質に使う処方です。解毒証体質とは、一貫堂医学によれば、「結核にかかりやすいタイプ」といわれています。現在、結核が難病でなくなり完治する病気になり、それに代わってアレルギー疾患が増えています。結核菌であれ花粉などのアレルゲンであれ、外界からの刺激に反応しやすく、容易に炎症を起こすような体質者と解釈されています。「解毒証体質=アレルギー体質」と理解し、最近では荊芥連翹湯がアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患にも応用されています。具体的にはどのような炎症かといいますと、ノドの部分としては扁桃炎、鼻の部分では鼻炎・ちくのう症、皮膚においては湿疹やニキビなどです。

 

荊芥連翹湯は17種類の生薬からなっており、その主薬である荊芥(けいがい)、連翹(れんぎょう)の両薬草から名前を取ってつけられました。

この処方には2つの大きな処方が隠されています。

ひとつは炎症を取る働きを持った黄連解毒湯(おうれんげどくとう)。黄連解毒湯は黄連(おうれん)、黄柏(おうばく)、黄芩(おうごん)、山梔子(さんしし)から成っています。

もうひとつは血 行を促進しお肌に潤いと栄養を与える四物湯(しもつとう)。これには当帰(とうき)、川芎(せんきゅう) 、芍薬(しゃくやく)、地黄(じおう)が配合されています。

この2つを組み合わせたものが温清飲(うんせいいん)です。

温清飲に荊芥、連翹などの9つの薬草を加え、解毒の働きをさらに強化したものが荊芥連翹湯という処方です。

皮膚・粘膜が過敏で、乾燥してカユミが激しい皮膚病に

解毒証体質の特徴としては「ニキビができやすい、アレルギー性疾患や扁桃炎を起こしやすい、辛いものを好んで食べる、皮膚は浅黒く血色があまりよくない、くすぐったがりや、皮膚がカサカサ、やせ型で筋肉質、手足の平が汗ばみやすい」といったことが上げられます。解毒証体質の荊芥連翹湯は、皮膚病にもよく応用されています。アトピー性皮膚炎に使うときは、皮膚が乾燥傾向で熱感やカユミが激しいものによいといわれています。また、ニキビでは補血薬(ほけつやく)の四物湯(皮膚に潤いと栄養を与え再生させる)が加わっているため、再発を繰り返した後にできるニキビ痕を改善するのに適しています。

どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか

アレルギー体質の場合、今持っている症状を悪化させないことが一番大切なことです。遺伝的に体質を受け継ぐ場合もありますが、二次的に食事や精神的ストレスによってアレルギー症状を助長してしまうことが多いとされています。春先に、鼻炎になりやすい方はチョコレートを一枚食べただけで悪化したりします。他に、エビ、カニ、タコ、イカ、貝類(赤貝、平貝、ホタテ貝など)、魚卵類、もち米でできたもの、ココア、コーヒー、香辛料、糖分と肉類の過多、その他牛乳や鶏卵などでもアレルギーを助長させます。自分のアレルゲンになる食品を熟知しておきましょう。

また、インスタント食品、加工食品を控え、食事のときは食べ過ぎないように心掛けましょう。精神的ストレスもたまってくると、アレルギー症状を悪化させます。春はイライラしやすい時季でもあるので特に気をつけてください。リラックスには入浴もよいでしょう。皮膚病の方ならスキンケアにもなります。

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