五淋散(ごりんさん)

排尿時のトラブル

石淋・気淋・膏淋・労淋・熱淋という膀胱、尿路に関する5つのトラブルを五淋といい、この五淋に効果のある処方という意味で、五淋散(ごりんさん)という名前が付けられました。五淋散の淋(りん)とは「オシッコがしぶって出にくくポタポタと切れ切れに出る病態」をさします。五淋の具体的な症状は、次のようになります。

 

五 淋 症 状
石淋(せきりん) 尿路の結石で、排尿障害や強い痛みを訴えることがある
気淋(きりん ストレスや悩み事などでトイレの回数が増える神経性頻尿
膏淋(こうりん) 尿がクリームや米のとぎ汁状ににごる
労淋(ろうりん) 過労や房事(性交渉)過多からくる排尿異常
熱淋(ねつりん) 痛みが激しい、時には出血を伴うこともある急性の尿路感染症

 

五淋散は膀胱や尿道などの炎症をとる働きがメインの漢方薬です。11種類の生薬から構成されています。尿量を増やしその利尿でもって、大腸菌などの細菌を洗い流すことで改善へ導きます。しかし、ほかの利尿剤と決定的に違うのは、血流をよくして下半身を温める働きがあることです。膀胱炎を繰り返す人の大半には、冷え症があります。体が冷えていたのでは、寒い冬にはトイレが近くなるように頻尿となります。また、冷えで膀胱粘膜などが萎縮したりして、炎症がないのに排尿時に違和感を訴えます。このように幅広く働いてくれるのが五淋散です。

排尿時のトラブルの原因

「さっき行ったばかりなのにもうトイレに行きたい」「排尿の終わり頃に痛みが走る」「残った感じがしてスッキリしない」など、頻尿(ひんにょう)、排尿痛、残尿感は男女を問わず起こりやすい症状です。体の構造上(女性は男性の尿道の1/4)、膀胱炎になりやすい女性では、特にトイレの悩みを人に相談しにくく、困っておられる方は想像以上に大勢おられます。

 

このような症状に適した漢方薬が五淋散。11種類の生薬から構成された処方で、排尿痛、残尿感のファーストチョイスと言われています。

その原因にはさまざまなものがありますが、その一つに膀胱や尿路の炎症があります。細菌感染により起こる場合もありますので、出血がある、痛みが激しくて辛抱できない場合は医療機関を受診して、適した抗生物質を服用する必要もあります。特に尿路が短い女性では感染も起こりやすくなるので注意が必要です

しかし、抗生物質を服用して細菌がいなくなったはずなのに、膀胱炎のような症状が続いたり、排尿のたびに繰り返し何度も違和感を訴える。また、冷えや疲れが原因となって症状が現れるケースもあります。このような時にも五淋散が適しています。

 

また、1回に少ししか尿が出ず何度もトイレに行ってしまうような場合には残尿感を感じやすくなります。このような時は1回の尿量を増やすようにするとスッキリ感が得られるようになります。

どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか

炎症は細菌感染により起こりやすいので、何度もくりかえしてしまう人は局部を清潔に保つことが最も重要です。性交渉の時なども注意するようにしましょう。

また、冷えにより膀胱、尿路の症状が起こる女性が増加しています。冬は下着を1枚多めに着用する、ヒザ掛けなどを利用する、夏でもクーラーの効いた室内では下半身が冷えないように注意するなどの冷え症対策が大切です。

 

症状が出てしまった場合は、薬の服用はもちろんですが、水分を多めに取ってたくさん尿を出すようにしましょう。ただ、細菌感染もなく、冷え症の方ではやみくもに水分を取り過ぎると、かえって体を冷やすことになるので、注意してください。同時に清潔、冷えの対策も忘れないようにしてください。

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