杞菊地黄丸 (こぎくじおうがん)


【処方コンセプト】目の使い過ぎによるドライアイ・眼精疲労・充血に。

仕事でパソコン、家でもパソコン。1日中、目を酷使していませんか?杞菊地黄丸は、「肝腎陰虚・肝陰虚」で目の症状が強い。つまり目を使い過ぎて目に栄養が届きにくく、目が疲れやすい状態に使用する。随伴症状として、疲れると手や足の裏がほてり、イライラしやすい、口が渇く、排尿困難、目の疲れ、かすみ、充血などを伴う方に用いる。

杞菊地黄丸適応症

◆ 出典の『医級』に「肝腎不足にて花を生じ(かすみ目)岐視(物が二重に見える)、或は乾渋眼痛等(病後の栄養不良で精気が衰え目が痛む)を治す」とあり、高齢化社会が進む中で、目を酷使する方が多い現代にピッタリの内容となっている。

◆ 補肝腎作用があり、老化、慢性消耗性疾患に使用する六味丸に目の不調に用いる菊花と枸杞子の2種類の生薬を加え、視力減退、目のかすみ、眼精疲労、目の乾燥・痛み、充血、まぶしい等の目の症状に特化した処方。また、高血圧で目が充血するタイプにも使える。

◆ 杞菊地黄丸は六味丸がベースとなっているので、目の症状だけでなく、「肝腎陰虚・肝陰虚」を目標に、足腰が重だるい、手足のほてり、排尿異常、耳鳴り・難聴、めまい、老化に伴う症状などにも幅広く応用することができる。ただし、冷え症のタイプには杞菊地黄丸ではなく、八味地黄丸を使うとよい。

◆ 臨床では多発性神経炎、骨粗鬆症、腎障害、老人性白内障、飛蚊症、シェーグレン症候群などに幅広く応用されている。

【処方構成】8味

六味丸は、地黄(ジオウ)・山茱萸(サンシュユ)・山薬(サンヤク)で腎精不足を補い、牡丹皮(ボタンピ)・沢瀉(タクシャ)で腎陰虚の虚熱を冷まし、沢瀉・茯苓(ブクリョウ)で補腎精薬の潤し過ぎを抑え、利水の働きをする。さらに枸杞子(クコシ)は滋補肝腎・明目で、目の症状と肝陰虚を軽減し、また菊花(キクカ)は清肝熱・明目に働き目の症状を改善する。以上のように、六味丸の作用に清熱作用を強化した杞菊地黄丸は、肝腎陰虚・肝陰虚の証に用いる。



杞菊地黄丸生薬構成
  解表 補気 清熱 駆瘀血 利水 明目 その他 配合生薬数
桂皮 白芷 蔓荊子 甘草 人参 山茱萸 山薬 黄連 黄芩 黄柏 山梔子 細茶 牡丹皮 川芎 当帰 地黄 芍薬 茯苓 灯心草 沢瀉 菊花 枸杞子 附子末 桔梗
杞菊地黄丸                                 8
滋腎明目湯             乾熱         15
八味地黄丸                                 8
黄連解毒湯                                         4

処方名 類方鑑別
杞菊地黄丸 老化などが原因で、目の乾き、かすみを強く訴える。
滋腎明目湯 目を酷使することが多く、目の充血や痛みを訴える。
八味地黄丸 腰から下が冷えて重だるく、夜間の頻尿がある方の白内障などの視力障害に。
黄連解毒湯 元気な方で、赤ら顔、落ち着きがなく、高血圧傾向で、すぐに目が充血する。


      

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