■ 第6期(2020~2021年度) 講座 開講にあたって ■
 じっくりと腰を据えて東洋医学の基本や臨床、応用と向き合うことができる講座として二十一世紀の始まりと共に開始した系統中医学講座の東京会場は閉会しました。関西系統中医学講座も2010年に併設開始以来、早10年を経過しました。

 漢方薬を「とりあえず」使ってみることも漢方の世界に足を踏み入れるひとつの道です。そこからさらに、背景にある考え方を学ぶことは、患者、治療者の利益だけでなく、そこで経験される多くの事例や経験を理論的に解釈することの積み重ねが、東洋医学そのものの成長につながると感じています。
 自然の力を活用する東洋医学の魅力とともに、様々な患者さんと向き合うことではじめて気づく思考の流れを、講師の経験の中で培った東洋医学の一つの姿として、皆様にご紹介します。

 既に経験の豊富な方も、これから学ばれる真っ白な方も、「なぜ効いた、なぜ効かなかった」を、根拠や理論展開を示しながら人に伝える手段を手に入れることで、治療の「実感」を「確信」につなげる一助に本講座がなれば、また、そのことが東洋医学の発展や東西医学の融合を加速させることに役立てればこれに勝る喜びはありません。