■ 講座の方針 ■

毎回、目の前におかれた症例を対象に、何はともかく「さあ、どうする?漢方」の視点で、まずは治療と向き合います。しかし、ただ漢方薬を選べばいいという姿勢とは異なり、主訴や症候をどうとらえるのか、それらを元に身体の状態をどう把握するのか、主訴の背景となる生理機能の理解を前提に、その身体の状態がどう主訴とつながるのかの病態認識を意識して、その解決策としての処方を考える姿勢をとることで、Z to A(実践から基礎へ)の道をたどる「縦軸」を構成します。

一方で、基礎理論、弁証、生理・病態、生薬・処方の理解それぞれの内容を、回を追う毎に系統的にステップアップしながら解説し、「横軸」としてA to Z(基礎から実践)の道をたどります。関西系統中医学講座では各項目と腰を据えて本格的な向き合い方をしています。それと並行して、本講座では各項目をスポット的に同じ講座日に取りあげることで、また違った身に付け方ができると考えています。

この縦軸、横軸を織りなすことで、東洋医学の基本を身につけながら、初めて診る症例にも即効性のある漢方治療を提供する腕を磨くことができると期待しています。