漢方講座

漢方の名前の由来

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漢方という名称は日本で行われている「東洋系伝統医学」に対してつけられた日本独特の呼び名であります。古代中国で生まれた伝統医学は、経験の積み重ねにより体系化され、やがて遣隋使や遣唐使などによって日本に伝わり、日本で独自に発展して定着したものです。江戸時代の末期に西洋系の医学“ 蘭方(らんぽう)”が伝わるまで、日本の医療を支えたのは“ 漢方 ”であり、その流れは現在の医療の中でも受け継がれています。
 
 
 
漢方薬のほかに、針や灸(きゅう)、気功、薬膳なども東洋医学に含まれますが、一般的には漢方といえば薬物療法のことを指します。「漢方薬」とは、主に草根木皮を原料に複数の生薬を組み合わせて作られた薬方であります。
 
 

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漢方薬と民間薬のちがい

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毎年11月23日に日本各地で盛大に“ 神農祭(しんのうさい) ”が行われますが、中国の伝説上の人物である神農(しんのう)は、現在では“ 商売の神様 ”として、“ 薬の神様 ”として、また、“ 農業の神様 ”として祭られています。神農は一日に百草をなめて70回当たり、そこから薬の効能を発見した人といわれています。動物は病気になると本能的に野生の草を食べることがありますが、古代の人々も初めは本能的に、それから次第に経験を集めて整理して、いろいろな薬草を見つけてきたのです。
 
 
 
さて、一般にゲンノショウコ、センブリ、ドクダミなども 漢方薬であると勘違いされる方が多いと思われますが、漢方薬と民間薬には大きな違いがあります。その1つは、 漢方薬 は数種類の生薬を組み合わせて用いられます。処方は原典とされる “漢方の医学書”の基準にしたがって配合され、薬用量も規定されています 。一方、 民間薬 の場合は、例えばゲンノショウコが下痢によく効くとか、ドクダミの生の葉のしぼり汁を患部につけると化膿がとれるなどと、 昔から民間に伝承された使い方で、たいていは一種類の薬草を用いる ことが多いのです。
 
2つ目は、民間薬はひとつの病名や症状を対象に薬を使用していきますが、漢方薬の場合は「 証(しょう)」といわれるいくつかの症候群を対象にして薬を選定します。
 
  漢方薬 民間薬
組 成 多くは複合剤(2種類以上) 多くは単剤(1種類)
生 薬 地下部(根)が多い、鉱物 地上部(葉)が多い、動物
起 源 医学書 民間伝承、本草書
処方名 ある(葛根湯、八味地黄丸など) ない
対 象 複合症状(いわゆる証) 単一症状あるいは病名
用 法 経験の底に理論がある 経験的で理論がない
用 量 規定されている 漠然として細かい規定なし
効 果 正確な効果 漠然とした効果

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漢方の原典

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日本で使われている漢方処方は、中国の歴史の各時代に書き記された医学書を出典とするものが多くあります。たとえば、漢代の「 傷寒論 (しょうかんろん)」と「 金匱要略 (きんきようりゃく)」、宋代の「 和剤局方(わざいきょくほう)」、明代の「 万病回春(まんびょうかいしゅん)」などがあります。
 
 
 
また、江戸時代の漢方医によって作られた処方や日本で経験的に使われていた処方が今でも臨床応用されています。
 
 
 
有名なところでは、紀州藩の名医・華岡青洲(はなおかせいしゅう)の創方である『 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう・小太郎漢方皮膚内服薬の処方) ⇒化膿性の皮膚病に使われる 』、および『 紫雲膏(しうんこう)⇒やけど、あかぎれ、しもやけ、痔などの症状に幅広く使われる漢方の万能軟膏 』があリ、水戸藩の軍医・原南陽(はらなんよう)も痔の漢方内服薬『 乙字湯(おつじとう・小太郎漢方ぢ内服薬の処方)』を残しています。
 
 
 
傷寒論、金匱要略は漢方のバイブル
 
現在日本で製造されている漢方エキス製剤の約半数は傷寒論・金匱要略を出典としている処方です。
 
 
 
今から約2000年前に 張仲景(ちょうちゅうけい)という人が、自分の一族の半数を急性の熱性病で失い、何かよい薬はないものかと各地に伝わる漢方処方を研究、編纂した書物が傷寒論・金匱要略 です。 「傷寒論」 は急性の熱病を中心にまとめたもので、 「金匱要略」 は慢性病及び食養を中心として著わしたものです。江戸時代の中期から後期にかけて傷寒論・金匱要略 に基づく古方派流の漢方が日本で盛んになり、わが国で独特の発展をして現在に至っています。

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証について

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漢方では「 証(しょう)」という特有の表現法があります。証とは「証拠の証」であるといいます。現代医学的にいえば複合症候群に相当するものです。しかし、病人の訴える雑然とした自覚症状の組合せでなく、 漢方の診断方法によって症状を分類した、症状間に有機的な関連をもった複合症状群ということです。
 
 
 
たとえば、風邪をひいて、鼻水、クシャミがよく出て セキも 痰(たん)も多い、悪寒(さむけ)もするという場合、これは 『小青竜湯証』 であるといい、この処方で治る証拠をもった症状群であるというわけで、漢方が“ 診断即治療 ”であるといわれるゆえんです。
 
 
 
なお、医療用の漢方エキス剤の添付文書「一般的注意」の項には 証 について次のような記載があります。
 
 
 
本剤の使用にあたっては、患者の 証 (体質・症状)を考慮して投与すること。
 
なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。

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漢方のモノサシ

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漢方の基本的な「モノサシ」には 八綱(はっこう)、 気血水(きけつすい)などあります。

(1)八綱とは

病気の部位や病気の性質、体力・抵抗力の有無を見るモノサシであります。 表裏(ひょうり)」、「 虚実(きょじつ)」、「 寒熱(かんねつ)」、「 陰陽(いんよう)」 の8つからなります。

■表裏・・・表裏というのは病気の位置をいいます。

  • 表 ⇒ 身体の表面をいい、指でつまめる部位です。
  • 裏 ⇒ 身体の内部すなわち内腔部をいいます。

■虚実・・・抵抗力の量的状態をみるもの。

  • 虚 ⇒ 虚弱、空虚の意味で、病気に対しての抵抗力がなかったリ、身体の諸機能の働きが低下している状態をいいます。
  • 実 ⇒ 充実、充満の意味で、病気に対して抵抗力があるが、体にとって不必要なものが充満している状態をいいます。

■寒熱・・・寒熱は病気の性質をみます。

  • 寒 ⇒ 「さむい」「冷える」などの病気の寒冷傾向の状態をいいます。
  • 熱 ⇒ 「あつい」「のぼせる」などの病気の熱性傾向の状態をいいます。

■陰陽・・・陰陽はすべてを統括する概念。

  • 陰 ⇒ ものごとの静的な側面を現し、水に代表される陰分や冷えの状態を指します。
  • 陽 ⇒ ものごとの動的な側面を現し、火に代表されるエネルギーや熱の状態を指します。

(2)気、血、水とは

漢方では生命活動する上で、身体にとって必要な生理的な物質として気・血・水の三つを考えます。健康な状態とはこの気・血・水の働きがうまく機能しているときであります。逆に気・血・水のアンバランスは病的な状態を現します。

漢方の素朴的な病因論でありますが、西洋医学でいう自律神経系、循環器系、体液系、内分泌系などの要因にあたるものと考えられます。漢方の処方は、これら気・血・水の調和をはかるように作られています。

  • 気 ⇒ 生命活動する上で必要な身体のエネルギーのもとになるものをいい、精神または精神神経系の働きや血や水を動かす力があります。気のバランスが悪い時には、気が上の方にのぼせて、イライラしたりするもの、漢方では気の上衝(じょうしょう)といいます。また、気が停滞しておなかが張って苦しくなったりもします。漢方では 気滞(きたい)といいます。どちらも血や水の流れに影響を与えます。
  • 血 ⇒ 生命活動する上で必要な物質であり、全身の組織や器官を滋養します。血のバランスが悪い時には、血行障害などによる症状を起こしやすくなります。俗に瘀血(おけつ)、古血(ふるち)といわれるものです。瘀血のあるものは、一般に顔色は赤黒いか青黒く、皮膚や粘膜に紫斑点や青筋などが多く見られます。
  • 水 ⇒ 生命活動する上で必要な体液成分で、身体を潤し、円滑にする働きであります。水のバランスが悪い時には、水分の代謝が円滑に行われていない状態で、漢方では水毒(すいどく)といいます。胃部の振水音、下痢または軟便、嘔吐、尿量減少あるいは多尿、浮腫(むくみ)、動悸(どうき)、めまい、耳鳴、頭痛などの症状は、水毒によることが多いものです。

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漢方の診断法

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現在のように血圧計、体温計、CTやMRIなどの検査機器のない時代では、医師はどのようにして治療していたのでしょうか。それは五官にたよる診察であったと思われます。
 
すなわち、目で視て、耳で聴き、鼻で嗅(か)ぎ、口で質問し、手で触(ふ)れて脈などを診て、病気の進行状況や症状、体質の強弱、病気の位置や性質などを総合的に判断して薬を選定していました。
 
 
 
このような診断法は漢方では 四診(ししん)といい、 望診(ぼうしん)  ⇒(目)、聞診(ぶんしん)  ⇒(耳、鼻)、 問診(もんしん)  ⇒(口)、 切診(せっしん)  ⇒(手) のことを指します。
 
 
 
現代医学ではまず検査をして、病名がつけられ、そして治療という順序になりますが、漢方ではこのようなものがなかった時代ですから、病名を決めるというよりも病人の訴える自覚症状や他覚症状を総合的にとらえて、漢方薬を選定し治療していました。
 
 
 
一例としてご紹介しますと、神経症の方で、のど元から胸元にかけてつまった感じを訴えるときは、 半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう)という薬方を服用してもらい、スッキリする場合が多くあります。このように病気らしくない病気に“漢方 ”が力を発揮する場面が少なくありません。

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漢方エキス剤の製造工程と製品の特徴

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小太郎漢方製薬株式会社は昭和32年、業界に先駆けて 日本で初めて古来から伝わる「 漢方薬 」を手軽に服用できるようにエキス剤とし、錠剤や散剤をつくりました。 漢方薬の原料は国内産や中国をはじめとする諸外国からの輸入品であり、日本薬局方の基準に従うと共に、より厳しい社内規格を設けて品質試験を行い合格品のみを使用しております。
 
 
 
■主な製造工程は次のとおりです。
 
原料生薬調合 ⇒ 抽出及び濃縮 ⇒ 乾 燥 ⇒ 製剤化 ⇒ 製 品
 
 
 
■製剤の特徴
 
  1. (1) 漢方の原典に忠実に従い、化学薬品は一切加えていません。
  2. (2) 製品の特徴としては
    1. 1. 漢方独特のにおいや苦みを嫌う方でものみやすいフィルムコート錠(一般用)
    2. 2. 舌にくっつきにくく、しかもお湯に溶けやすい細粒(医療用)
    3. 3. 現代感覚の飲みやすいカプセル剤(医療用)などバラエティーに富んだ製剤を供給しています。
  3. (3) 厳密に管理された環境下で製剤化しています。

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